あなたは雇用保険未加入の会社を辞めた後で困っていませんか?
- ブラック会社だからしょうがない
- どうせ今からじゃ間に合わない
- もう関わりたくない
もしかしたらあきらめてしまっているかもしれませんね。
しかし、条件さえ満たしていれば、雇用保険に入っていなかった場合でも失業保険をもらう方法が存在します。
このページでは「雇用保険に入っていなかった場合に失業保険をもらう方法」について紹介します。
【この記事のもくじ】
雇用保険に入っていなかった場合に失業保険をもらう方法
雇用保険加入の条件
そもそも労働者が次の条件を全部満たしている場合は、会社は雇用保険に入れなければなりません。
- 1週間の所定労働時間が20時間以上
- 31日以上継続して雇用される
- 雇われた時点の年齢が65歳未満
逆にこの条件を満たしているにもかかわらず入っていないとおかしいんですね。
ところが、小さな会社の中には雇用保険に入らない会社というのがあります。
なぜ雇用保険に入らないのかというと会社が保険料を負担をしたくないからです。
会社が負担する分がある
雇用保険の保険料は「社員自身が負担する分」と「会社が負担する分」が法律で決められています(保険料率)。
一般事業 | 農林水産・ 清酒製造事業 | 建設事業 | |
---|---|---|---|
社員負担 | 0.3% | 0.4% | 0.4% |
会社負担 | 0.6% | 0.7% | 0.8% |
例えば、基本給が25万円、交通費が2万円の一般職サラリーマンの場合、
(社員負担)27万円 × 0.3% = 810円
(会社負担)27万円 × 0.6% = 1,620円
会社が払っているのは一ヶ月で1,620円です。
さかのぼって入ることができる
いくら払いたくないとはいえ会社が雇用保険に入らないことは違法です。
労働者はさかのぼって入ることができます。
基本は2年間
さかのぼって入れるのは手続きをした日から2年間になります。
例えば、会社が雇用保険に入っていないことを知っていたけれど放置し、退職後に入る場合にはさかのぼれる期間は2年です。
2年以上勤めていた人にとっては2年しか被保険者期間としてみてもらえないため勤めていた期間が長ければ損してしまうんですね。
払っていないことを知っていて何もしなかったのは、本人の落ち度とされても仕方がないからです。
逆に本人に落ち度がなければ2年以上さかのぼれる場合があります。
2年以上さかのぼれる場合
本人に落ち度がないのは例えば、次のようなケースです。
- 会社に雇用保険料が天引きされていた
- 実際は雇用保険に入ってなかった
- 給与明細などで天引きされていたことを証明できる
これならさかのぼって雇用保険に入ることが認められるようになります。
給与明細は証拠として保管しておきましょう。
また、次のようなケースもさかのぼって入れます。
- 入社月の3月分の給料から雇用保険料が差し引かれていた
- 会社は6月にハローワークに行って手続きした
悪質な会社でわざと雇用保険の加入手続きをしていなかったということですね。
雇用保険に入っているか確認する方法
雇用保険被保険者証
給与明細で雇用保険料が引かれていればあとから立証できますが、確実に知っておくなら「雇用保険被保険者証」を確認することです。
雇用保険被保険者証を持っていれば雇用保険に入っているといえます。手元にない場合は会社側で預かっていることもありえますので聞いてみてはいかがでしょうか?
ハローワークで調べてもらう
ハローワークに行けば調べてもらえます。本人確認ができる身分証明書を持って行きましょう。
もし、入っていなかったら会社に加入させる方法
会社が雇用保険に入るつもりがない場合はハローワークの窓口で相談することで解決するでしょう。
ハローワークは会社に加入手続きをとらせることができます。
会社を雇用保険に加入させることができるので被保険者期間が短くなるということはなくなります。
もし雇用保険に入っていないことをわかっている場合は、ハローワークに行くのは早ければ早いほど良いでしょう。
しっかりと失業保険をもらうため必要なこと
- あらかじめ自分が雇用保険に入っているかを知っておく
- 入っていないことがわかった場合は、会社に雇用保険に加入させる
さかのぼって雇用保険に加入できるとしても、2年間しかさかのぼれなければ長く勤めた人は損をします。そうならないためには労働者側も準備する必要があるんですね。
ちなみに、例外的に雇用保険に入らなくていい会社もあります。「暫定任意適用事業」というキーワードで検索してみてください。