退職後は健康保険の手続きが発生しますが、「任意継続」と「国民健康保険」ではどちらを選択すべきなのでしょうか?
失業中は収入が減ってしまいますから、一番重要なのは保険料ですよね。
それぞれの料金を比較してみましょう。
このページでは「任意継続と国民健康保険の料金を比較した結果」を紹介します。
健康保険の料金比較
任意継続する場合
任意継続は退職前に入っていた健康保険を最長2年間だけ継続できるという制度です。
この制度は、「健康保険組合」「協会けんぽ」「共済組合」のいずれにもありますが、今回は協会けんぽの保険料の例で見てみます。
計算方法
- 保険料 = 標準報酬月額 × 掛金率
※報酬月額:交通費や残業代なども含めた給料の総支給額
①退職時の報酬月額250,000円(独身 30歳)
⇒保険料は月額25,922円
②退職時の報酬月額350,000円(独身 30歳)
⇒保険料は月額27,916円
退職時の報酬月額※ | 健康保険(月額) | 年間合計 | |
---|---|---|---|
① | 250,000円 | 25,922円 | 311,064円 |
② | 350,000円 | 27,916円 | 334,992円 |
※①②は東京の保険料です。計算される際はお住いの地域の保険料をご確認ください。
国民健康保険に切り替える場合
自治体(市町村)の健康保険に加入する場合です。
自治体ごとに保険料が違いますので、任意継続と同じ条件を用いながら数カ所で比較してみます。
①退職前年度の所得3,000,000円(月給250,000円)(独身 30歳)
⇒国立市なら保険料は年180,960円
⇒狛江市なら保険料は年209,585円
⇒新宿区なら保険料は年269,349円
②退職前年度の所得4,200,000円(月給350,000円)(独身 30歳)
⇒国立市なら保険料は年250,560円
⇒狛江市なら保険料は年288,185円
⇒新宿区なら保険料は年370,989円
① | 国立市 | 狛江市 | 新宿区 |
---|---|---|---|
平等割額 | 0円 | 2,000円 | 0円 |
均等割額 | 26,100円 | 32,700円 | 43,200円 |
所得割額 | 154,860円 | 174,885円 | 226,149円 |
資産割額 | 0円 | 0円 | 0円 |
年間合計 | 180,960円 | 209,585円 | 269,349円 |
② | 国立市 | 狛江市 | 新宿区 |
---|---|---|---|
平等割額 | 0円 | 2,000円 | 0円 |
均等割額 | 26,100円 | 32,700円 | 43,200円 |
所得割額 | 224,460円 | 253,485円 | 327,789円 |
資産割額 | 0円 | 0円 | 0円 |
年間合計 | 250,560円 | 288,185円 | 370,989円 |
※平等割額:1世帯あたりが納める保険料
※均等割額:加入者の人数によって納める保険料
※所得割額:前年度所得によって納める保険料
※資産割額:固定資産を持っている場合にかかる保険料
比較した結果
①の場合
任意継続よりは国民健康保険のほうが保険料が安い
②の場合
新宿区に住んでいるとしたら任意継続が安い
国立市や狛江市に住んでいると国民健康保険が安い
このようにケースバイケースで違うんですね。
まとめ
健康保険の保険料は人によって違います。
今回は若い独身のケースで計算しましたが、例えば、4人家族の場合だとまた違った結果になります。
国民健康保険には「均等割額」があるため、世帯の人数が多いほど保険料があがります。一方、任意継続の場合は世帯の人数には左右されず、任意継続のほうが安く済むといったことが考えられます。
どちらかが一方的に安いということであればわかりやすいんですが、人によってどちらが安くなるかが違うんですね。
ぜひ、計算して賢く選択しましょう。
(数値は毎年変動しますので、最新の情報は自治体のホームページでご確認ください。)